２０１２年秋学期は、第６代目となる松村真理子氏を新指揮者に迎えてスタートしました。１２月のコンサートは、２年ぶりにブルックライン図書館クーリッジ・コーナー分館で行いましたが、熱心なボランティア学生達の呼び込みのおかげで、会場は、追加の椅子を出すほどの満員となりました。初代以来初めての女性指揮者の下、日本の伝統的な曲あり、リズム感あふれるタンゴ、ゲスト・バイオリニスト別府結月さんとの共演など、また一味違ったコーラス・ボストンの演奏を、お客様に楽しんでいただけたように思います。

思えば１５年前、創始者酒巻則子氏の手により、産声をあげたのはたった１２人の小さな合唱団でした。以来、コーラス・ボストンの延べ団員数は３００名を越え、演奏した曲は１８３曲に及びます。今回の演奏会は１５周年を記念し、ブルックラインのセント・ポール教会で華やかに行われました。在ボストン日本国総領事館首席領事の渡部氏の挨拶で幕を開けた演奏会では、まずジョン・ルターの心洗われる曲の数々を演奏。そして第４代指揮者の佐藤洋平氏を迎えて「ふるさとの四季」を歌い上げ、観客は懐かしい日本のメロディーに酔いしれました。後半では第５代指揮者である八木徹雄氏の下での演奏もこれが最後と、日本の合唱曲「水のいのち」等を熱唱、美しいハーモニーを響かせました。１５年の歳月とともに成長してきたコーラス・ボストンの伝統は、2012年秋から第６代指揮者に引き継がれることとなります。

日本からワシントンDCに桜が贈呈されてから１００周年にあたる２０１２年。ボストンでは「２０１２年日本・ボストン桜祭り」の一環として、４月２９日（日）に「春祭りボストン２０１２」がコプレー・スクエアパークで開催され、およそ１万人の人々が集いました。コーラス・ボストンはボストンにある唯一の日本の合唱団として、この過去最大規模で行われた日本のお祭りに出演。桜の花のコサージュを胸につけ、数々の日本の曲を披露、日本の合唱曲を初めて聴く多くの観客を魅了しました。当日は楽譜が吹き飛んでしまうほどの強風に見舞われましたが、八木徹雄氏の指揮の下、しっかり全曲歌い切りました。

図書館でのコンサート第2弾。コンサートの数ヶ月前に起きた東日本大震災の被害者の方たちのために何かできることをしたいと、団員が心を込めて折鶴ピンを作り、当日義捐金を募りました。曲目は、春らしく明るいものを選び、希望の祈りを込めて歌いました。

図書館の音楽室でのコンサート。ステージからお客様への距離も近く、アットホームなホリディコンサートとなりました。コーラスはもちろん、ピアノソロ、バリトンソロ、皆様になじみの深いクリスマスソングも組み込んでバラエティに富んだプログラムとなりました。

今回は、前回の演奏会に比べて難易度の高いプログラムとなり、私たちにとって大きな挑戦でもありましたが、全員で一体となってがんばりました。今後も新しい課題に積極的に挑戦していきたいと思います。

この冬のコンサートから新しい指揮者をむかえ、私達合唱団も心機一転のコンサートになりました。日本の合唱曲をはじめ、アベェマリアなどクリスマスらしい素敵な歌声が響きました。